【高校野球】U−18日本代表候補強化合宿で学法石川・大栄利哉が存在感 選抜出場組には負けない!
プレーから「オレを見てくれ!」という叫びが聞こえてくるようだった。
シートノックが始まる際のボール回し。その1球目から大栄利哉(学法石川)は全開だった。身長178センチ、体重85キロの筋肉質なプロテクター姿で、力強く右腕を振る。ボールは鋭く、低い軌道で伸びていく。その強肩ぶりは高校球界を代表する選手が集まるなかでも、頭ひとつ抜けている印象だった。
学法石川のドラフト候補・大栄利哉 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る
【強肩・強打で存在感アピール】
4月3日から3日間、奈良県で実施されたU−18日本代表候補強化合宿。初日に参加した候補38選手のなかには、今春の選抜を沸かせた選手も多かった。
そんな猛者たちが集結するなか、大栄は野心を胸に秘めていた。
「自分は1年前の甲子園で目立ってないですし、こういうところで一目置かれるような存在にならないとダメだと考えていました」
1年前のセンバツ、大栄は「4番・捕手兼投手」として、華々しく甲子園デビューを飾るはずだった。ところが、大会前に自転車事故で左足を負傷。代打での出場にとどまり、チームも初戦で敗れている。
大栄と同じく捕手として招集されたのは、小堀弘晴(健大高崎)、横山悠(山梨学院)、川尻結大(仙台育英)、吉崎創史(武相)。いずれもプロや名門大学が触手を伸ばすような存在ばかり。学法石川の佐々木順一朗監督からは、こんな言葉で送り出されたという。
「おまえより上のレベルの選手しかいないんだから、笑顔で楽しんでこい。いっぱい恥をかいてきなさい」
大栄は練習前から「ワクワクしていた」と言う。ボール回しの1投目に指にかかった鋭い球が投げられたことで、「このままいけるな」と弾みがついた。シートノックでは自慢の強肩を披露し、続くフリー打撃では木製バットを使用して快打を連発。高い防球ネットを越えるサク越え弾を5本も放った。
「木のバットは3月に練習試合が始まってから、ずっと使って対策してきました。今日は今までで一番飛んだので、自分にびっくりしています」
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