異常なペースのイチロー3000本ほか、MLB史に残る今年の重大事 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 そんななか、現在のイチロー選手のメジャー通算打率は.313。今の時代で3000本ものヒットを放ち、なおかつ通算打率3割以上をキープしているのは大変なことです。

 また、イチロー選手はメジャー16年での偉業達成ですが、過去29人のデータを見てみると、デビューしたときの平均年齢は20歳215日。ほとんどの選手が若くからプレーし、コツコツと年数をかけてヒットを積み上げていったのです。しかし、イチロー選手がシアトル・マリナーズでデビューしたのは27歳162日。過去の平均年齢と比べると、7年も遅いのです。この7年間、イチロー選手が若くからメジャーでプレーしていれば、ピート・ローズの記録(4256本)はとっくに抜いていたのではないでしょうか。

【第3位】ボストンの街を変えた男、デビッド・オルティスが引退

 今シーズンかぎりでの引退を表明していた偉大なスラッガー、ボストン・レッドソックスのデビッド・オルティスが最高のフィナーレを飾りました。現役最後のシーズンの成績は、151試合に出場して打率.315・38本塁打・127打点。ア・リーグの打点王に輝き、メジャートップとなる48本の二塁打、87本の長打数、長打率.620、OPS(出塁率+長打率)1.021をマークしました。今シーズン、OPSで1点台を残したのはメジャー全体でオルティスのみ。今年で引退するというのに信じられない数値です。

 過去のメジャーリーガーを振り返ってみても、現役最後のシーズンにオルティスのようなすごい成績を残した選手を挙げるとすれば、サンディー・コーファックスぐらいでしょうか。1966年、当時ドジャースのエースだったコーファックスは27勝9敗・防御率1.73・317奪三振という驚異的な数字を残し、投手3冠とサイ・ヤング賞に輝いて引退しました。

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