14億円より息子同伴、まさかの世界一弾...。メジャーリーガーの引退劇
今シーズンかぎりで引退を表明していたボストン・レッドソックスのデビッド・オルティスが驚異的な記録を残してユニフォームを脱ぎ、有終の美で選手生活に別れを告げました。しかしながら、オルティスのようなフィナーレを飾れるのはほんのひと握りで、ほとんどのメジャーリーガーはひっそりと別れを告げていきます。今回はメジャーの世界から足を洗う決意をした4人のベテラン選手を紹介します。
プリンス・フィルダーは涙を流しながら現役引退を発表した まずひとり目は、テキサス・レンジャーズのプリンス・フィルダーです。8月10日、クビの故障に苦しんでいたフィルダーに対し、ドクターが現役続行にストップをかけ、32歳で電撃引退を発表しました。
ご存知のとおり、彼は元阪神のセシル・フィルダーの長男としても有名で、その規格外のパワーはまさに父親譲り。1996年、息子のプリンスが12歳のときに父の所属するデトロイト・タイガースのバッティング練習に参加したところ、木製のバットで当時の本拠地だったタイガー・スタジアムのライト2階席に打球を叩き込み、メジャー関係者を驚かせたというエピソードがあります。
その後もフィルダーは順調に成長を遂げ、2002年のドラフト1巡目全体7位でミルウォーキー・ブルワーズに入団。そして2005年、21歳でメジャーデビューを果たしました。2007年には史上初の親子2代によるシーズン50本塁打の大台突破を達成。球界を代表するスラッガーとなり、2011年のオフには父のプレーしたタイガースと9年総額2億1400万ドル(当時・約218億円)という超大型契約で移籍を果たしたのです。
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プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)