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エリートが極貧生活の末につかむ、
メジャーリーグのGMという夢の仕事

  • 杉浦透●文 text by Sugiura Toru
  • photo by Getty Images

 今や、メジャーリーグのビジネスは1兆2000億円市場となっている(日本プロ野球の市場規模は、推定で約1400億円程度)。そのビッグビジネスの中心で舵を取っているのが、各チームのゼネラルマネージャー(GM)たちだ。近年、彼らの役割は重要さを増し、チームの勝敗を大きく左右する要因となっている。

 その存在が日本でも広く知られるキッカケとなったのは、2011年に大ヒットした、アメリカ映画『マネーボール』だろう。主人公のビリー・ビーンは、実際に1997年から2015年までオークランド・アスレチックスのGMを務めた実在の人物だ(現在は上級副部長)。データを統計学的に分析し、チームの経営や戦略に役立てる「セイバーメトリクス」を駆使して、貧乏球団だったアスレチックスを強豪チームに育てあげた。

当時GMとして、松井秀喜のアスレチックス移籍にも関わった、ビリー・ビーン当時GMとして、松井秀喜のアスレチックス移籍にも関わった、ビリー・ビーン それ以降、メジャーリーグのGMには、スピーディーかつ大胆なビジネスセンスを持った若手エリートを採用することがトレンドとなっている。今日の市場拡大に貢献している彼らは、どのようにしてGMになったのか、日本プロ野球チームのGMとの違いはどこにあるのかを見ていこう。

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