イチローを差し置いてオールスター初出場する「無名の外野手2名」 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 ベネズエラといえば、メジャーでは「ショートストップの宝庫」と呼ばれています。その理由は、1950年代~1960年代にシカゴ・ホワイトソックスなどで9度のゴールドグラブ賞に輝いたルイス・アパリシオ、1970年代のレッズ黄金時代に名ショートとして活躍したデーブ・コンセプシオンの影響が強いでしょう。その後もベネズエラ出身のショートが登場し、次々とメジャーを席巻していきました。そんな背景から、ヘレーラも母国の花形ポジションであるショートを選んだようです。

 ただ、メジャー関係者がヘレーラの魅力に気づいたのは、守備ではなく打撃でした。その才能はマイナーで早くも 発揮され、2014年にはダブルAのテキサスリーグで打率.321をマークして首位打者を獲得。さらにそのオフ、故郷ベネズエラでのウインターリーグにも参加すると、打率.372で新人賞とMVPを受賞したのです。

 このマイナーでの活躍が、ヘレーラの野球人生を大きく変えました。2014 年12月に行なわれた「ルール・ファイブ・ドラフト(40人ロースターの枠外ドラフト)」で、フィリーズがヘレーラを指名したのです。当時のレンジャーズの選手層は厚く、メジャーへの道は険しいものでした。この移籍によって、ヘレーラは大きく一歩前進することができたのです。

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