前田健太も候補?
現代のメジャー「精密機械」は誰だ? (2ページ目)
まず、ナ・リーグから選ぶなら、間違いなくアリゾナ・ダイヤモンドバックスのザック・グレインキーでしょう。昨シーズンは19勝3敗・防御率1.66をマークし、自身2度目となる最優秀防御率のタイトルを手にしました。防御率1.66という数字は、マダックスが防御率1.63を記録した1995年以降、もっとも秀でた成績です。
昨年オフ、グレインキーがドジャースとの残り契約(3年総額7100万ドル/約86億6000万円)を破棄したとき、まっさきに高額オファーを提示したのがダイヤモンドバックスでした。その額、なんと6年総額2億650万ドル(約254億円)。これほどの超大型契約を提示した理由のひとつは、グレインキーがマダックスと似たようなタイプのピッチャーだからです。
グレインキーのストレートは、マダックスと同じように決して速くありません。時速92マイル(約148キロ)ぐらいです。しかし、抜群のコントロールがグレインキーの持ち味で、アメリカ随一の野球専門誌『ベースボール・アメリカ』は、彼の制球力を「ナ・リーグ1位」と評価しています。
また、スライダーとチェンジアップの変化球も秀逸で、バットの芯を外す技術はピカイチ。特に、昨今のメジャーで欠かせないチェンジアップは、「ナ・リーグ2位」(『ベースボール・アメリカ』評)にランクインしました。ストライクゾーンの両サイドに投げ分け、球のスピードの変化で勝負するピッチングは、まさしくマダックスを彷彿とさせます。
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