前田健太も候補?
現代のメジャー「精密機械」は誰だ?
5月7日現在、ロサンゼルス・ドジャースの前田健太投手はメジャーデビューから6試合登板し、3勝1敗・防御率1.66という好成績をマークしています。通算38イニングを投げて35個の奪三振に対し、フォアボールはわずか10個。抜群のコントロールで名だたるバッターからアウトの山を築いています。
ロサンゼルス・ドジャースの前田健太の評価はうなぎのぼり メジャー関係者の間でぐんぐんと評価を上げている前田投手ですが、かつてメジャーナンバー1の制球力で相手バッターを次々と打ち取り、「精密機械」と称された選手がいました。それは、1986年から2008年までメジャーでプレーしたグレッグ・マダックスです。アトランタ・ブレーブスの黄金時代にはエースとして君臨し、4年連続(1992年~1995年)でサイ・ヤング賞を獲得。メジャー23年間で歴代8位の通算355勝という大記録を残しています。
ただ、マダックスは決して球の速いピッチャーではありませんでした。ストレートは140キロ後半程度。しかしながら、多彩な変化球を際どいコースに投げ込む技術に長けており、フォアボールの少ないピッチングが最大のウリでした。そんな稀有な存在だったマダックスに迫るような、「現代の精密機械」は誰なのか――。今のメジャーリーガーのなかから候補者を考えてみたいと思います。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)