MLB戦力補強分析。
オフの「勝ち組」「負け組」・ア・リーグ編 (3ページ目)
そしてもうひとつ「勝ち組」を挙げるならば、ア・リーグ東地区のボストン・レッドソックスです。このオフでなにより大きかったのは、球界を代表するエースのデビッド・プライスを獲得できたことでしょう。FAとなった彼を獲得するために、レッドソックスは7年総額2億1700万ドル(約241億6000万円)という大金を積みました。これは、メジャー史上8番目の高額契約です。
2012年にサイ・ヤング賞に輝いたプライスは、まさに「優勝請負人」と言える存在。2013年はタンパベイ・レイズのプレーオフ進出に貢献し、2014年はタイガース、そして昨年はトロント・ブルージェイズを地区優勝に導きました。不振にあえぐレッドソックスにとって、これほど心強い選手はいないでしょう。 プライスの加入によって、昨年までチームを引っ張っていたクレイ・バックホルツやリック・ポーセロが2番手・3番手を務めることになるので、強力な先発ローテーションを組めるようになりました。若手も台頭しているので、今シーズンは一気に飛躍するのではないでしょうか。
そして、プライスの加入と同じくらいインパクトを残したのが、パドレスからトレードでやってきたクレイグ・キンブレルの獲得です。2011年からナ・リーグで4年連続セーブ王に輝く守護神の加入によって、リリーフ陣は「メジャー最強」の顔ぶれとなりました。昨年までクローザーを務めていた上原浩冶投手が3年ぶりに中継ぎに回り、さらに昨年シアトル・マリナーズで70試合に登板して13セーブを挙げたカーソン・スミスも獲得。もちろん、田澤純一投手もブルペンに控えています。日本人メジャーリーガーふたりにとって、3年ぶりのチャンピオンリング獲得も現実味が増してきました。
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