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球団史上初のFA選手獲得ゼロ。
ヤンキースはケチになったのか? (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 ところが、この4人が次々と現役を引退すると、ヤンキースは常勝軍団ではなくなりました。ここ3年間は地区優勝すらできず、ワールドチャンピオンの称号も2009年を最後に遠ざかっています。この結果は明らかに、チーム作りの根幹である「生え抜きのスター選手の不在」が大きいと思います。

 世界一の座を奪還するためにヤンキースは現在、若い選手をファームから育て上げようとしています。そして、生え抜きでなくとも若きスターのハーパーが新たに加われば、ふたたび黄金時代を迎えられるというビジョンを描いているのだと思います。

 ただ、伝統と人気のある名門チームだけに、若手育成だけに戦略をシフトするわけにはいきません。毎年ワールドチャンピオンを期待されているので、「今シーズンは優勝争いを捨てる」という大胆な切り替えをできなのが難しいところでしょう。

 FA選手に頼らず、新たな道を進もうとしているニューヨーク・ヤンキース。この決断が今後、どんな変化となって表れてくるのか、非常に楽しみです。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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