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球団史上初のFA選手獲得ゼロ。
ヤンキースはケチになったのか? (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 2015年シーズン開幕時の球団別・チーム年俸総額を見てみると、1位はロサンゼルス・ドジャース(約2億7200万ドル)、2位がヤンキース(約2億1900万ドル)、3位がボストン・レッドソックス(約1億8700万ドル)、4位がデトロイト・タイガース(約1億7300万ドル)という順位でした。しかし昨シーズン、ドジャースは地区優勝したもののディビジョンシリーズで屈し、ヤンキースはワイルドカードゲームで敗退。そしてレッドソックスとタイガースは、地区最下位と低迷しました。

 一方、リーグチャンピオンシップシリーズに進出した4チームは、年棒総額10位のトロント・ブルージェイズ(約1億2200万ドル)、13位のシカゴ・カブス(約1億1900万ドル)、16位のカンザスシティ・ロイヤルズ(約1億1300万ドル)、21位のニューヨーク・メッツ(約1億100万ドル)でした。ワールドシリーズの舞台に立ったのは、年棒総額16位(ロイヤルズ)と21位(メッツ)のチームです。

 また昨シーズン、年俸2000万ドル以上の選手は25人いましたが、そのうちディビジョンシリーズに出場したのはわずか3人のみ。ヤンキースは2000万ドルプレーヤーを5人も抱えながら、早々に負けています。

 ヤンキースは1990年代半ば、チーム生え抜きの若い選手たちによって黄金時代を築きました。その礎(いしずえ)となったのが、アンディ・ペティット、マリアノ・リベラ、ホルヘ・ポサダ、そしてデレク・ジーターの「1995年メジャーデビュー組」です。彼ら4人が成長することにしたがって、ヤンキースは1995年から13年連続でプレーオフ進出を果たし、1998年から9年連続地区優勝に輝き、5度の世界一を成し遂げたのです。

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