防御率3点台半ば。それでも田中将大を評価すべき理由 (4ページ目)
本来ならばシーズン後半になると、ピッチャーの防御率は悪くなります。真夏に疲れたピッチャーは球威が落ち、気温の上昇とともに空気の密度が減少してボールも飛ぶようになるので、夏場以降はピッチャーに不利と言われています。しかし、田中投手がシーズン後半でも安定したピッチングを披露しているのは、まさしくエースとしての役割を十分に果たしている証拠ではないでしょうか。
また、「被ホームラン数が多い」という指摘についても、一概に悪いとは言い切れないと思います。たしかに数字だけ見ると、昨シーズンの被本塁打数15本に対し、今シーズンはすでに24本。ところがその内容を見ると、ほとんどがソロホームランなのです。24本のうち19本がソロホームランで、残り5本がツーランホームラン。つまり、ホームランによる失点は合計29点で、本数の割に多くありません。
本拠地ヤンキースタジアムはホームランの出やすい球場として有名ですが、被本塁打24本のうちロードで打たれたのは、わずか8本。大事な場面で打たれておらず、ホームランで負けたという試合もほとんどありません。ランナーを背負ったシーンでホームランを打たれていないという点は、もっと評価されるべき内容だと思います。
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