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メジャー史上7人だけの快挙。イチロー日米通算2000得点の価値

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 現地8月31日、アトランタ・ブレーブス戦に「2番・ライト」で出場したマイアミ・マーリンズのイチロー選手が、8回にフォアボールを選んで出塁した後にホームへと生還し、日米通算2000得点を達成しました。イチロー選手はオリックス時代に658得点、メジャーで1342得点をマークし、日米通算をメジャー記録に相当すれば歴代8位となります。

積極的な走塁でホームを狙うマーリンズのイチロー積極的な走塁でホームを狙うマーリンズのイチロー 日本では「打率」や「本塁打」「打点」といった記録ばかりが目立ち、あまり「得点」というものは注目されていません。しかし、アメリカでは得点の歴史は古く、その評価は決して低くないのです。

 1845年、ニューヨークに住むアレキサンダー・カートライトという青年がニッカーボッカーズという野球チームを結成した際、現在のゲームの原型となる野球規則を作りました。そして翌年の1846年、ニュージャージー州のホーボーケンという町で最初の試合が行なわれ、そのときの野球規則、通称「ニッカーボッカー・ルール」に、「得点」という記録は記載されていたのです。

 それ以来、ベースボールの歴史に得点という記録はずっと受け継がれています。実際、日米ともに野球のボックススコアを見ても、「打数」の次に「得点」があり、そのあとに「安打」「打点」と続きます。つまり、「得点」の地位はベースボールの記録において高いものなのです。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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