青木宣親が再び「不動の1番バッター」となるためには? (4ページ目)
また、青木選手にはシーズン終盤に好成績を残した実績もあります。カンザスシティ・ロイヤルズ時代の2014年、シーズン終盤の9月中旬に行なわれたシカゴ・ホワイトソックスとの3連戦では、なんと合計11本ものヒットを量産したのです。3連戦での計11安打は、あのジョージ・ブレット(※)らの記録を抜く球団新記録。第1戦は4打数4安打、第2戦は5打数4安打、そして第3戦は4打数3安打、さらに8打席連続出塁もマークするなど、驚異的な活躍でチームを勝利に導きました。
※ジョージ・ブレット=1973年からロイヤルズひと筋で21年間プレーし、3度の首位打者を獲得した殿堂入りバッター。
ナ・リーグ西地区で現在首位に立つ宿敵ロサンゼルス・ドジャースとの争いは、今後さらに熾烈なものとなるはずです。直接対決はあと7試合もありますので、首位の座を奪い返すチャンスは十分にあります。青木選手にとっても、この2ヶ月は正念場といえるでしょう。
昨シーズン、カンザスシティ・ロイヤルズの一員だった青木選手はワイルドカードから勝ち上がってワールドシリーズまで進出したものの、メジャー3年間で地区優勝は一度も経験していません。8月4日現在、青木選手の成績は、打率.308・3本塁打・22打点・12盗塁・出塁率.371。残り2ヶ月で青木選手が目標とする「打率3割・出塁率4割」を達成することができれば、おのずと「不動の1番バッター」の地位を手にし、そして「自身初の地区優勝」も経験することができるでしょう。今シーズンの青木選手なら、きっとその夢を叶えてくれると思います。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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