後半戦スタート。日本人メジャーリーガーたちが優勝争いに参戦
シーズン折り返しとなるオールスターゲームを終え、メジャーリーグはいよいよ後半戦へと突入しました。プレーオフ進出に向けて、地区優勝争いは両リーグともに過熱していくことでしょう。そこで今回は、シーズン後半戦の見どころについて紹介したいと思います。
3年ぶりとなる地区優勝のカギを握るヤンキース・田中将大 まず、ア・リーグで注目したいのは、東地区の上位争いでしょう。名門ニューヨーク・ヤンキースが3年ぶりに地区優勝できるかどうか、非常に興味深いポイントです。オールスターを首位で折り返したヤンキースは、2位のタンパベイ・レイズに3.5ゲーム差をつけて後半戦をスタートしました。
後半戦のカギを握っているのは、エースの田中将大投手であることは間違いありません。昨年はオールスター前に右ひじのじん帯部分断裂で戦線離脱し、復帰したのはシーズン終了間近の9月下旬。後半戦のほとんどを棒に振り、戻ってきたころにはすでにヤンキースのプレーオフ進出は絶望的でした。しかし、今年は前半戦を終えて5勝3敗・防御率3.63。後半戦最初の登板でも6勝目をマークし、徐々に本来のピッチングを取り戻しつつあります。ヤンキースが後半戦も首位のまま逃げ切るためには、田中投手の存在は必要不可欠でしょう。
田中投手がエースとしての真価を問われるのは、地区優勝争いが激化するシーズン終盤です。地元ニューヨークのメディアやファンからのプレッシャーを、どのように跳ね返すかが重要となるでしょう。ただ、田中投手は楽天時代も優勝争いの大事な場面で、素晴らしいピッチングを披露していました。そのハートの強さも、ヤンキースが獲得に乗り出した理由のひとつだと思いますので、きっと大事な場面で勝利に貢献してくれると思います。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)