青木宣親が再び「不動の1番バッター」となるためには?
現地7月27日、右足ひ骨骨折で故障者リスト入りしていた青木宣親選手が37日ぶりに復帰しました。復帰3試合目では1番バッターとして出場して初ヒットをマーク。徐々に調子を取り戻しつつあります。ただし、復帰したからといって、すぐさま青木選手に「不動の1番バッター」の座が約束されているわけではありません。
約1ヶ月ぶりにチームに復帰したジャイアンツの青木宣親 たしかに今シーズン、ケガで戦線離脱するまでの青木選手は、素晴らしい成績を残していました。先発出場した63試合すべて1番バッターとして打席に立ち、チーム1位の盗塁数(12個)をマーク。ツーアウトからの得点圏打率.538、ロードでの打率.395・出塁率.468は、いずれも両リーグを通じて1位でした。相変わらずすごいのは、左バッターの青木選手が左投手を苦にしていない点でしょう。左投手に対して打率.343をマークするなど、先頭打者として非の打ち所のないバッティングを披露していたのです。
ナ・リーグの1番バッターは、チャンスに強いことが求められます。その理由は、DH制のないナ・リーグでは通常9番がピッチャーなので、ランナーがいれば9番はバントで塁を進めます。その結果、1番バッターは得点圏にランナーを置いて打席に立つことが多くなるからです。青木選手の最近の得点圏打率は.522(23打数12安打)。非常に高い数字を残しています。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)