3割バッター驚異の6人!下馬評をくつがえしたロイヤルズ (4ページ目)
一方、シーズン序盤戦で予想外の苦戦を強いられているのは、アストロズと同じ西地区のシアトル・マリナーズでしょう。投の中心は、エースのフェリックス・ヘルナンデス。開幕7試合の先発で6勝0敗・防御率1.85という驚異的な数字を残しています。
また、打の中心は昨年本塁打王のネルソン・クルーズ。ボルチモア・オリオールズから移籍1年目でどこまで活躍できるか不安視されましたが、現在打率.344・14本塁打・27打点で、本塁打と打点でリーグトップの数字を残しています。つまり、投打の核となる両選手は活躍しているので、本来ならマリナーズが西地区を独走していても決して不思議ではないのです。
マリナーズの問題は、ヘルナンデス以外の先発投手陣の不調でしょう。ご存知の通り、岩隈久志投手は開幕3試合で0勝1敗・防御率6.61。4月24日に右広背筋を傷めて故障者リストに入ってしまいました。また、3番手以降のピッチャーも調子が上がらず、26歳のジェームズ・パクストンは0勝2敗・防御率5.08、22歳のタイフアン・ウォーカーも1勝3敗・防御率8.13。期待された若手ふたりが結果を残せていません。
ただ、徐々に調子を取り戻してきたようです。若手の調子が上がり、岩隈投手も本来のピッチングを取り戻せば、これから巻き返すことも十分に可能でしょう。下馬評を覆す活躍を見せているチーム、予想外のつまずきを見せてしまったチーム、彼らが前半戦終了時にどのポジションにいるのか、今後の戦いぶりが楽しみです。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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