3割バッター驚異の6人!下馬評をくつがえしたロイヤルズ
【スタートダッシュ勝ち組・負け組@ア・リーグ編】
4月5日に2015年シーズンがスタートし、早くも約1カ月が経ちました。ア・リーグの序盤戦を振り返ると、開幕前の下馬評を大きく覆(くつがえ)したのは中地区のカンザスシティ・ロイヤルズではないでしょうか。開幕7連勝で球団史上2番目となる絶好のスタートダッシュを切り、同地区の強敵デトロイト・タイガースと早くも首位争いを演じています。
新加入のケンドリス・モラレス(右)が見事に完全復活 昨シーズン、ロイヤルズは29年ぶりとなるリーグ優勝を果たしました。また、ポストシーズンでは破竹の8連勝を見せ、圧倒的な勢いでワールドシリーズに進出。長年の低迷からようやく脱出しました。
ただ、「ロイヤルズの勢いが今シーズンも続く」と考えるメジャー関係者は多くいませんでした。昨年14勝をマークしたエースのジェームズ・シールズが4年総額7300万ドル(約87億5000万円)でサンディエゴ・パドレスに移籍し、切り込み隊長として活躍した青木宣親選手もFAでサンフランシスコ・ジャイアンツに行ってしまったからです。しかし、いざフタを開けてみれば、戦前の予想を大きく裏切る活躍で、昨年の勢いそのままに勝利を積み重ねています。
ロイヤルズの好スタートを支えているのは、目を見張るような絶好調のバッティングでしょう。開幕して1カ月間もチーム打率3割をキープし続け、現在(5月10日)のチーム打率.295はもちろんメジャートップ。他球団のチーム打率を大きく引き離す群を抜いた数字です。ロレンゾ・ケイン(打率.339)を筆頭に、マイク・ムスターカス(打率.327)、エリック・ホズマー(打率.322)、ケンドリス・モラレス(打率.306)、サルバドール・ペレス(打率.306)、そしてアルシデス・エスコバー(打率.303)と、なんと3割バッターを6人も擁しています。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)