野茂英雄、メジャーデビュー20周年。5月2日を振り返る
今からちょうど20年前の1995年5月2日(日本時間5月3日)は、ロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄投手がメジャーデビューを果たした日です。この野球ファンにとって記念すべき大切な日を、今回は回想したいと思います。
1995年5月2日にメジャーデビューしたドジャースの野茂英雄 まず、1995年当時のメジャーリーグの背景から振り返ってみましょう。1970年代以降、メジャーではオーナー側と選手会による労使紛争が頻繁に巻き起こっていました。そして1994年も労使間の新労働協約交渉が決裂し、8月12日にストライキへ突入することになったのです。その年のシーズンは打ち切りとなり、さらにワールドシリーズも中止。メジャーリーグ史上、最悪の事態となりました。
年が明けてもストライキは収束せず、2月のキャンプインになっても両者は対立したまま。解決のメドは一向に立っていませんでした。そんな中、任意引退という形で近鉄を退団した野茂英雄投手がドジャースと契約するというビッグニュースが飛び込んできたのです。
ただ、その時期のメジャーは混沌としていたので、はたして野茂投手がメジャーのマウンドに立てるのか、多くの野球ファンが心配しました。一方、オーナー側は長引くストライキへの対抗策として、代替選手によるシーズン開幕を目論みました。そして、元メジャーリーガーやマイナー選手を集めてキャンプインし、オープン戦を強行したのです。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)