開幕直前。ヤンキース&レッドソックス、名門復活の予感

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 現地4月5日、2015年シーズンのメジャーリーグがついに幕を開けます。開幕が近づくにつれて、各チームの戦力が徐々に浮き彫りとなってきました。オープン戦での内容などから見えてきたのは、「ふたつの名門チームの復活」です。

ヤンキース投手陣を引っ張るメジャー2年目の田中将大ヤンキース投手陣を引っ張るメジャー2年目の田中将大 ここで指す「ふたつの名門チーム」は、ボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースのことです。かつて両者は、「メジャー最大の激戦区」と呼ばれるア・リーグ東地区で、常に地区優勝争いを繰り広げてきました。しかし近年は、タンパベイ・レイズが台頭し、ボルチモア・オリオールズも復活。その結果、昨年はレッドソックスとヤンキース、名門チームがそろってプレイオフ進出を逃しました。

 レッドソックスは2012年に東地区・最下位となりましたが、翌2013年にはいきなりの世界一。そして昨年は再び最下位と、ジェットコースターのようにアップダウンの激しい状況が続いています。しかし、今年は関係者の間で、「再び急浮上するのでは?」と高く評価されています。

 その理由として挙げられているのは、先発投手陣の成長です。レッドソックスは今オフ、サンフランシスコ・ジャイアンツからFAとなったパブロ・サンドバル(※)と5年総額9500万ドル(約112億円)で契約したり、ロサンゼルス・ドジャースからFAのハンリー・ラミレス(※)を4年総額8800万ドル(約104億円)で獲得するなど、バッターの大型補強で話題となっていました。

※パブロ・サンドバルの昨年成績は打率.279・16本塁打・73打点。ハンリー・ラミレスの昨年成績は打率.283・13本塁打・71打点。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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