今年のワールドシリーズは「マーリンズ対マリナーズ」?
現在、アメリカ各地でオープン戦が次々と行なわれ、メジャー関係者の間では早くも今季のワールドシリーズを占う話が飛び交っています。オープン戦での出来ばえを踏まえ、両リーグで最も高く評価されているチームはどこなのか――。メジャー30球団で高評価ナンバー1は、ナ・リーグ東地区に所属するマイアミ・マーリンズなのです。日本では連日イチロー選手の話題で注目が集まっていますが、実はアメリカでも大いに盛り上がっています。
イチローはマーリンズで初のワールドシリーズ出場なるか? 近年のマーリンズは、メジャー開幕前に話題となることは多くありませんでした。2011年から3年続けて東地区の最下位に甘んじ、2013年はシーズン100敗も喫しています。しかし昨シーズンは、勝ち星を77勝まで積み重ねて東地区4位に上昇。ただ、地区優勝したワシントン・ナショナルズからは19ゲーム差も引き離されていました。
それにもかかわらず、今シーズンのマーリンズは下馬評が非常に高いのです。プレイオフ進出はおろか、地区優勝の最有力候補とさえ言われています。その理由はなにかというと、3つほど挙げられています。
まずひとつは、主砲ジャンカルロ・スタントンの存在です。「メジャーきっての飛ばし屋」として知られるスタントンは、昨年大きな飛躍を遂げました。37本塁打をマークし、自身初となるタイトルを獲得。しかし昨年9月、デッドボールによって顔面を骨折して残りシーズンを棒に振ることになりました。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)