41歳になっても外野手を務めるイチローのすごさ

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 マイアミ・マーリンズのイチロー選手が今季のメジャーリーグで最年長野手であることは、すでにご存知の方も多いことでしょう。1973年10月22日生まれのイチロー選手は、現在41歳5ヵ月――。過去のメジャーを振り返れば、40歳を過ぎても活躍したバッターは何人もいます。

マーリンズ外野陣の中でも群を抜く守備力を誇るイチローマーリンズ外野陣の中でも群を抜く守備力を誇るイチロー その中で最も有名なのは、45歳まで現役を続けたピート・ローズ(1963年~1986年)でしょう。イチロー選手と同じ41歳時のデータを見れば、1982年、フィラデルフィア・フィリーズでレギュラーシーズン162試合にフル出場しています。その年の成績は、打率.271・3本塁打・54打点。全盛期より落ちてはいるものの、41歳で172本ものヒットを打っているのは驚愕です。

 ただ、ローズは162試合すべて、ファーストのポジションで出場しています。ローズはもともとセカンドの選手で、その後はライト、レフト、サード、そしてファーストと、グラウンドを反時計回りでポジション移動していきました。いつも全力でプレイする元気なローズであっても、年々体力は衰えていき、41歳になるとファーストが定位置になりました。

 ピークを過ぎた選手は、年齢とともに守備力も低下していきます。ア・リーグのチームならば指名打者(DH)専属となるケースが多いですし、ナ・リーグに所属していれば、なるべく守備の負担の少ないポジションに移動していくのは仕方のないことです。

1 / 4

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る