41歳になっても外野手を務めるイチローのすごさ (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 球史に残る外野手――、ウィリー・メイズ(1951年~1973年)もその例に当てはまります。メジャー屈指の万能プレイヤーと呼ばれ、歴代4位の660本塁打を放ち、センターのポジションで12年連続ゴールドグラブ賞を受賞した名手です。

 しかし1972年の41歳のときは、サンフランシスコ・ジャイアンツとニューヨーク・メッツでプレイし、合計88試合の出場で打率.250・8本塁打・22打点という成績でした。しかも、外野を守ったのは63試合で、ファーストでの出場は11試合もあります。史上最高の名センターがファーストを守るというのは、とても寂しいものがありました。

 そしてもうひとりの万能プレイヤー、デーブ・ウィンフィールド(1973年~1995年)も晩年は守備の機会を失っています。大学時代に野球、アメフト、バスケットボールと3つのプロスポーツからドラフトを受け、ニューヨーク・ヤンキース時代にはライトのポジションでゴールドグラブ賞を5回受賞した選手です。しかし、そんな彼も41歳になった1993年には、ミネソタ・ツインズで143試合に出場したものの、ポジションはDHばかり。かつての名手が外野を守ったのは、わずか31試合でした。

 40歳を過ぎると、ほとんどの野手は守ってもファーストで、多くはDHとなります。ただ、40歳を過ぎても外野手として活躍した選手も、稀(まれ)にいたのです。

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