自宅でバスケ? メジャーリーガーの最新自主トレ事情 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 数々の大記録を打ち立ててきたA・ロッドも、今年7月で40歳――。キャンプ開幕に合わせて、万全のコンディションで臨むつもりでしょう。日本と違ってメジャーリーグのキャンプは、すぐに実戦形式での試合が行なわれます。キャンプでのポジション争いはキャンプイン直後から熾烈なので、近年のメジャーリーガーはオフの期間も真面目に身体を作っているのです。

 人気の高い自主トレ環境といえば、やはりフロリダとアリゾナの2大キャンプ地でしょう。冬でも温暖な気候に恵まれているので、キャンプ地の近くに自宅を建てて住む選手が増えてきました。また、温暖な地域に本拠地を置くチームに所属していれば、球団が所有すトレーニング施設を利用して自主トレに励む選手も多くなったと思います。たとえば、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手は、テキサス州アーリントンで自主トレを行なっています。

 一方、民間のトレーニング専用施設を利用して自主トレをする選手も年々増加してきました。最も有名な場所は、フロリダ州ブラデントンにある「IMGベースボールアカデミー」でしょう。大手スポーツマネージメント会社のIMGは、錦織圭選手の活躍で日本でも一躍有名になりました。私も1990年代後半、IMGアカデミーに何度も行ったことがありますが、2度の首位打者を獲得したノマー・ガルシアパーラ(当時ボストン・レッドソックス)など、30名ほどのメジャーリーガーがそこで自主トレを行なっていました。

 その後、IMGアカデミーの成功により、全米各地で同じような施設が続々とオープンしています。たとえば、アリゾナ州フェニックスにある「フィッシャー・インスティテュート」は、ランディ・ジョンソン(1988年~2009年/元シアトル・マリナーズなど)が利用したことで有名となり、現在はオールスターに4度選出されているロサンゼルス・ドジャースのエイドリアン・ゴンザレスや、今オフにデトロイト・タイガースからワシントン・ナショナルズに移籍した昨季最多勝投手のマックス・シャーザーなど、多くのトップアスリートが自主トレを行なっています。また、今年からソフトバンクの監督となった工藤公康氏も、現役時代にこの施設を利用して話題となりました。

 そしてもうひとつ、キャンプ前のオフのトレーニングとして、新しい潮流が生まれつつあります。それは、球団主催のミニキャンプです。自主トレとは少し趣旨が違うのですが、近年で最も画期的なオフの動きだと思います。

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