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スタントンの大型契約でイチローの獲得競争が激化する!? (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Getty Images

 ワールドシリーズに来ていたあるチームの重役は、このオフ、チームを編成するにあたって次のようなことに重点を置くことが大切だと語っていた。

「数字や計算を重視する人たちには、三振することはそこまで大きな問題ではないと思っている人が多い。十分にホームランを打ち、四球を選べば、それだけ立派な攻撃の選手だと思われる。ただ、ウチの球団はそういう考え方はしません。ここ最近の野球を見ると、何とかボールに当てることが勝利につながっているような気がします。もし、三振することを許し、ホームランを打つことに重点を置いたのなら、得点は減少するでしょう。とにかくコンタクトすることを重視すれば、エラーで出塁する可能性もあるし、走者を進めることだってできる。そういう野球を目指せば、ビッグイニングだって作れる。ウチの球団は、得点するには走者を溜め、確実に進塁することが大事だと思っている。そして犠牲フライや内野ゴロの間に得点するのが基本だと信じています。私たちのようなチームは、基本に忠実な選手を必要としているのです」

 そして、この分野にかけて優れた結果を残してきたのがイチローだ。昨年に比べ、三振数は増えているが、それでもまだメジャーの平均よりは少ない。また、BABIP(インプレイ打率)においても優れた成績を残している。今季、300以上打席に立った263選手の中、イチローのBABIPは.346でディー・ゴードンとミゲル・カブレラと並び32位タイにつけている。さらに付け加えれば、高い守備力も健在だ。
※BABIPとは、本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示したもの
ディー・ゴードン…2010年にドジャースでメジャーデビューを果たし、今季は64盗塁でナ・リーグの盗塁王に輝いた。先日、トレードでマーリンズに移籍することが決まった
ミゲル・カブレラ…タイガースの主砲で2012年には三冠王を獲得。12年、13年と2年連続MVPに輝いた

 これからチームを編成するにあたって、守備力を含めた基本に忠実な選手を探している球団はあるはずで、イチロー獲得に動くチームも多いのではないだろうか。

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