ジーターは例外?ひっそりと引退したメジャーリーガーたち

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

12月特集 アスリート、現役続行と引退の波間(3)

 2014年シーズンは、「デレク・ジーターが引退した年」として、多くのメジャーファンの記憶に刻み込まれたことでしょう。しかし、彼以外にも、一時代を築いた選手が今年を最後にユニフォームを脱ぎました。そこで今回は、現役生活に別れを告げた5人のメジャーリーガーを紹介したいと思います。

通算439本塁打をマークしたシカゴ・ホワイトソックスのポール・コネルコ通算439本塁打をマークしたシカゴ・ホワイトソックスのポール・コネルコ まず、初めに紹介したいのは、シカゴ・ホワイトソックスのポール・コネルコ(38歳)です。日本ではあまりニュースになっていませんが、アメリカでは、「ジーターと並ぶ偉大なキャプテンの引退」として話題になりました。

 1994年のドラフト1巡目全体13位でロサンゼルス・ドジャースに入団したコネルコは、将来のスター候補として嘱望された存在でした。1997年にメジャーデビューを果たし、1998年のフルシーズン1年目となったシーズン開幕前には、ナ・リーグ新人王の最有力候補に挙がったほどです。

 ドジャースといえば、過去に何人もの新人王を輩出してきた歴史があります。特に1992年から1996年まで、5年続けてドジャースから新人王が生まれました(1992年=エリック・キャロス、1993年=マイク・ピアッツァ、1994年=ラウル・モンデシー、1995年=野茂英雄、1996年=トッド・ホランズワース)。そんな背景もあったので、「1998年もドジャースか」と話題になっていたのです。ところが、残念ながらコネルコは期待に応えることができず、マイナーに降格。その後、シンシナティ・レッズに放出されることになりました。

 僕自身、このとき脳裏をよぎったのは、1980年代初頭にドジャースでプレイした、マイク・マーシャルとグレッグ・ブロックという選手です。ふたりは、ともに将来のスター候補として騒がれた逸材でした。
しかし、いずれも期待外れに終わったので、コネルコも同じ道を辿るのでは......と思いました。

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