2014.12.15

スタントンの大型契約でイチローの獲得競争が激化する!?

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • photo by Getty Images

 メジャー関係者が一堂に会し、フリーエージェント(FA)やトレードの話が数多くまとまることで知られるMLBのウインターミーティングがサンディエゴで行なわれた。来季に向けの補強の始まりともいえる一大イベント。だが今年は目玉とされていた、マイアミ・マーリンズの主砲・ジャンカルロ・スタントン(25歳)がウインターミーティング前に13年総額3億2500万ドル(約384億円)という破格の条件で契約を延長し、周囲を驚かせた。
ジャンカルロ・スタントン…2010年にマーリンズでメジャーデビューを果たし、5年連続20本塁打以上を放ち、今季は37本塁打でナ・リーグ本塁打王に輝いた

来季、メジャー通算3000本安打に挑むイチロー

 メジャー史上最高額ということだけでなく、この契約を成立させたのがヤンキースやドジャースといったお金持ち球団ではなく、これまで年俸を抑えることに躍起になっていたマーリンズだったことも、驚きに輪をかけた。スタントンに莫大な金額を支払うことになったマーリンズは、「無謀」「無責任」といった厳しい批判を受けている。

 ただ、このスタントンの契約は、ヤンキースからFAしたイチロー(41歳)と少なからず因縁があり、これから決まるであろう移籍先にも影響を及ぼす可能性がある。

 契約更新を発表する記者会見で、スタントンの2席左に座っていたのがマーリンズの球団社長であるデービッド・サムソンだった。サムソンといえば、7年前に当時マリナーズのイチローが5年9000万ドル(当時、約109億8000万円)の契約を結んだ時、大批判を浴びせた人物だ。地元マイアミのラジオ番組で、彼は次のように語っていた。

「みんなもご存知の通り、これは世界の終わりに違いない。この契約を聞いた時、もう言葉を失いました。最初は間違いだろうと思いました。トップバッターにあんなお金を支払うなんて……。その金額に値する選手はひとりもいないはずだ。それにイチローはチームを優勝に導いていない。これは野球界を蔑(さげす)む、馬鹿げた契約だ。こんなことをやっていたら、メジャーは潰れてしまう。どう考えても経営のミスとしか思えない」