トレード打診殺到の岩隈久志。しかし動けない事情とは?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 シーズンが終了するやいなや、メジャーリーグ各球団は来季に向けた戦力補強をスタートさせています。賑わいを見せている移籍市場では、もちろん日本人メジャーリーガーの名前も浮上しており、彼らがどのチームと契約するのか、非常に気になるところです。

トレードの申し込みが殺到しているシアトル・マリナーズの岩隈久志トレードの申し込みが殺到しているシアトル・マリナーズの岩隈久志 まず、FAとなった日本人メジャーリーガーの中で、特に移籍市場を賑わせているのは、ニューヨーク・ヤンキースの黒田博樹投手(11勝9敗・防御率3.71)です。今年も安定したピッチングを披露し、エースのCC・サバシアに代わって名門ヤンキースの先発陣を支えました。ただ、来年2月で40歳となるため、チームの若返りを図ろうとしているヤンキースと再契約する可能性は極めて低いでしょう。

 来季、黒田投手はどのメジャー球団のユニフォームを着るのか、それとも古巣の広島カープに復帰するのか、あるいは引退という道を選ぶのか......。黒田投手の周囲には、さまざまな噂が巻き上がっています。そんな中、2008年から2011年まで在籍したロサンゼルス・ドジャースが、黒田投手に巨額オファーを提示したと報じられました。ではまず、そのドジャースの投手陣について触れましょう。

 今シーズンのドジャース先発投手陣の防御率は3.20でした。これは、ワシントン・ナショナルズに次ぐメジャー2位の数字です。エースはご存知のとおり、今年最多勝(21勝)と最優秀防御率(1.77)のナ・リーグ2冠に輝き、サイ・ヤング賞とMVPをダブル受賞したクレイトン・カーショウ。2番手は2009年にサイ・ヤング賞を受賞し、今年も17勝(8敗)を挙げたザック・グレインキー。3番手は2013年にメジャー移籍後、2年続けて14勝をマークしている柳賢振(※)。ドジャースの誇る先発3本柱は、まさに磐石と言えるでしょう。しかし、彼らに続く4番手以降が足りていないのです。

※柳賢振(リュ・ヒョンジン)=ハンファ・イーグルスから6年総額3600万ドル(約29億7000万円・当時)+出来高でドジャースに入団した韓国出身の27歳左腕。

1 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る