イチローの移籍先は新代理人と縁深いあのチーム?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 今シーズン終了後にFAとなり、来季の去就に注目が集まっているニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手。2014年は控えに回るケースが多く、ヤンキースも世代交代を加速させる動きがあることから、新しいチームに移籍する可能性が高いと言われています。先日も日本の新聞では、「ロサンゼルス・エンゼルスとデトロイト・タイガースが興味を示している」と報じていました。来シーズン、イチローはどのチームでプレイするのでしょうか。

2015年シーズンのイチローはどのユニフォームを着ているのか2015年シーズンのイチローはどのユニフォームを着ているのか まずは報道されたエンゼルスとタイガースのチーム事情について、触れたいと思います。2014年のエンゼルス外野陣は、2010年ア・リーグMVPのジョシュ・ハミルトン(打率.263・10本塁打・44打点)がレフト、今年のMVPに輝いたマイク・トラウト(打率.287・36本塁打・111打点)がセンター、1番バッターのコール・カルフーン(打率.272・17本塁打・58打点)がライト、という布陣でした。

※カッコ内の数字は2014年シーズン終了時の成績

 2013年にテキサス・レンジャーズから移籍してきたハミルトンは、最近故障がちで精彩を欠いていますが、トラウトとカルフーンはともにメジャー屈指のオールラウンダーとしてチームに欠かせない外野手です。また、外野すべてのポジションを守れるコリン・カウギル(打率.250・5本塁打・21打点)も控えているため、エンゼルスの外野陣は磐石と言っていいでしょう。イチロー選手の名前が報じられた理由は分かりませんが、エンゼルスに移籍してチャンスを掴むのはなかなか茨(いばら)の道です。

 一方のタイガースは、たしかにイチロー選手が活躍できる可能性はありました。しかし11月13日、タイガースはトロント・ブルージェイズから24歳のアンソニー・ゴース(打率.226・2本塁打・13打点)という外野手を獲得。高校時代に短距離走の選手としても活躍したスピードスターを新たに加えました。

 これにより、来シーズンのタイガースはセンターのゴースを軸に、今年ヒューストン・アストロズから移籍して大ブレイクしたJ.D.マルティネス(打率.315・23本塁打・76打点)と、6年連続30盗塁以上を記録しているラージャイ・デービス(打率.282・8本塁打・51打点)が両翼を担うと思います。さらに控えには、タイラー・コリンズ(打率.250・1本塁打・4打点)とスティーブン・モーヤ(打率.375・0本塁打・0打点)という、今年メジャーデビューを果たしたふたりの若手も台頭してきました。かつて9年連続でゴールドグラブ賞を受賞し、今シーズンはライトを守っていた39歳のトリー・ハンター(打率.286・17本塁打・83打点)は、すでに来シーズンの構想から外れているようです。よって、外野手の枠はすべて埋まったと考えるべきなので、イチロー選手がタイガースに移籍することはないでしょう。

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