トレード打診殺到の岩隈久志。しかし動けない事情とは? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 また、黒田投手の自宅はロサンゼルスにあるので、ドジャース、エンズルスともに環境的に悪くありません。両チームともワールドチャンピオンを狙える強豪なので、黒田投手がメジャーに残るのなら、このどちらかのチームに移籍するのではないでしょうか。

 一方、カンザスシティ・ロイヤルズからFAとなった青木宣親選手(打率.285・1本塁打・43打点・17盗塁)も、他球団への移籍が有力視されています。ワールドシリーズには出場できたものの、不動の1番から2番に下げられたり、勝ちゲームになると守備固めでベンチに下げられるなど、青木選手としては不満の残るシーズンだったと思います。

 そこで気になる移籍先として浮上してきたのは、シンシナティ・レッズです。今シーズンのレッズの打撃成績は、打率.238・出塁率.296と軒並み低い数字でした。特に問題なのは、3割を切った出塁率です。中でも1番バッターの成績が悪く、2013年はメジャー1位の平均出塁率.415だったのが、今年は.298(28位)と1割以上も激減したのです。

 なぜ、こんなにも落ちてしまったのか――。理由は、秋信守の移籍です。出塁率の高い秋信守が昨年オフにテキサス・レンジャーズと大型契約したため、1番バッターの穴がぽっかりと空いてしまいました。今シーズンは若手のビリー・ハミルトンを1番バッターとして起用したものの、出塁率は.292。ナ・リーグ2位となる56盗塁を記録するなど奮闘しましたが、1番バッターとしては物足りない部分もありました。つまり今オフ、レッズが一番獲得したい選手は、出塁率の高いバッターなのです。

 その点を考えると、青木選手はレッズが求めている「最適のバッター」だと思います。今シーズンの青木選手は出塁率.349で、メジャー通算(3年間)でも.353と高い数字を残しています。日本の報道では、ライトを守っているジェイ・ブルースを放出すれば外野の枠が空くため、青木選手の獲得に動くと報じられていました。しかし、ブルースの動向に関係なく、レッズは高い出塁率に定評のある青木選手の獲得に本気だと思います。

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