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ついにワールドシリーズ。青木宣親、初の世界一なるか? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 また、ジャイアンツは先発だけでなく、リリーフ陣も優秀な人材を揃えています。クローザーのサンティアゴ・カシーヤ(3勝3敗19セーブ・防御率1.70)を軸に、中継ぎの右にセルジオ・ロモ(6勝4敗23セーブ・防御率3.72)、左にはジェレミー・アフェルト(4勝2敗0セーブ・防御率2.28)とハビアー・ロペス(1勝1敗0セーブ・防御率3.11)と、非常にバランスの良いブルペンが仕上がっています。リリーフ陣のポストシーズンでの成績は、防御率1.78。先発陣と同じく、こちらも非常に優秀です。

 そんな秀でた投手陣の中でも、特に注目したいのはベネズエラ出身のヤスメイロ・ペティット(5勝5敗0セーブ・防御率3.69)です。レギュラーシーズンのペティットは、先発からリリーフまでこなす「スイングマン」というポジションを務め、今年8月28日には「46打者連続アウト」というメジャー新記録を樹立しました。そしてポストシーズンでは現在、9イニングを投げて2安打・無失点。延長18回の長丁場を制したディビジョンシリーズ第2戦では、リリーフで登板して6イニング1安打・無失点という好投を見せ、ポストシーズン史上最長のゲームを勝利に導いたのです。

 一方、攻撃面でもジャイアンツは、心強いスラッガーが揃っています。3番のバスター・ポージー(打率.311・22本塁打・89打点)はポストシーズン通算42安打と大舞台に強く、4番のパブロ・サンドバル(打率.279・16本塁打・73打点)も2012年のワールドシリーズで1試合3ホーマーを放ってMVPに輝いた逸材です。現在もポストシーズン23試合連続出塁という球団記録を継続中で、勢いそのままにワールドシリーズに挑んでくるでしょう。

 そんな攻守ともにハイレベルなジャイアンツ相手に、ロイヤルズはどう戦えば勝てるのか。まず、ロイヤルズは、リーグ最強と謳われる救援トリオにつなぐことが大事でしょう。ロイヤルズはリーグチャンピオンシップシリーズ4試合で、先発投手がひとりも6イニングを持たずに降板したにもかかわらず、4連勝でボルチモア・オリオールズを退けてワールドシリーズに進出しました。

 ロイヤルズのリリーフ陣のポストシーズン成績は、合計35イニングで36個の三振を奪い、8試合で6勝0敗という素晴らしい結果を残しています。特にグレッグ・ホランド(1勝3敗46セーブ・防御率1.44)、ウェイド・デービス(9勝2敗3セーブ・防御率1.00)、ケルビン・ヘレーラ(4勝3敗0セーブ・防御率1.41)の「新ナスティ・ボーイズ」と呼ばれる豪腕トリオは、ポストシーズンでも絶好調。クローザーのホランドは、リーグチャンピオンシップシリーズですべてセーブをマークしています。リーグチャンピオンシップシリーズで4連勝して4セーブを記録したのは、1988年のデニス・エカーズリー(当時オークランド・アスレチックス)に次ぐ史上ふたり目の快挙です。また、中継ぎのデービスとヘレーラも、リーグチャンピオンシップシリーズではふたりで合計10イニング3分の2を投げて、ヒットはわずか4本、フォアボール1個、12奪三振。まったく手がつけられない内容でした。

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