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人気第1位外野手のヤンキース入団で、イチローはどうなる? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 エルズベリーがヤンキースに加入すると、来シーズンはセンターのポジションを守り、今年7月にシカゴ・カブスから獲得したアルフォンソ・ソリアーノと、俊足のブレット・ガードナーが、レフトとライトを守ると予想されます。となると、FAとなったグランダーソンのヤンキース復帰は、ほぼないでしょう。高い守備力を求めているヤンキースにとって、グランダーソンはチームの構想から外れているからです。

 そしてもうひとり、我々日本人にとって一番気になるのは、イチロー選手の立場です。今オフのヤンキースは攻撃力をアップさせるために、積極的な補強を行なっています。今年11月にはアトランタ・ブレーブスの強打のキャッチャー、ブライアン・マッキャン(29歳)を5年総額8500万ドル(約86億6000万円)で獲得。さらに今FAの目玉選手と言われているロビンソン・カノ(31歳)との再契約も視野に入れています。とにかく、今オフの最優先課題は、低迷した攻撃力を取り戻すこと。つまり、打撃成績を落としているイチロー選手がトレードされる可能性も決して否定できないのです。

 2013年シーズンのイチロー選手は、打率.262・7本塁打・35打点と、あまり良い成績を残したとはいえません。また、出塁率は.297と、メジャー13年目で初めて3割を切りました。さらに、オールスター後は打率.228、出塁率.259と、後半戦になって成績を大きく落としています。この数字では来シーズン、ヤンキースでの出番が減るのは間違いないでしょう。2年契約を結んでいるので残留は十分ありますが、あまりにも出場機会がなくなると、イチロー選手自身がトレードを志願する可能性もあるのではないでしょうか。

 ちなみに現在、ライトを守れる選手を探しているチームは、ピッツバーグ・パイレーツです。今年8月にニューヨーク・メッツからマーロン・バードという外野手を獲得したのですが、シーズンオフにフィラデルフィア・フィリーズと2年契約を結んだため、再びライトのポジションが空いてしまいました。もちろん、イチロー選手の事情もある話なので勝手な言い分ですが、もし移籍するなら、パイレーツは穴場ではないでしょうか。2013年シーズン、パイレーツは21年ぶりに勝率5割を突破してプレイオフ進出を果たし、今、勢いに乗っているチームだからです。もし、イチロー選手がパイレーツでプレイすれば、メジャー史上最高の強肩外野手と言われているロベルト・クレメンテ(1955年~1972年)と同じポジションを守ることになります。「ライフルアーム」と称され、ゴールドグラブ賞を12年連続で受賞した伝説の外野手と同じフィールドに立つのも、個人的には夢があっていいと思うのですが……。

 12月9日から4日間かけてウインターミーティングが行なわれるので、ここからが移籍市場の本番です。トレード話も活発化するので、今後、イチロー選手の立場がどうなっていくのか、ここ数週間の動向にぜひ注目してください。

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