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【MLB】ストラスバーグが語ったダルビッシュ有「彼のことなど気にしていない」 (2ページ目)

  • 水次祥子●文 text by Mizutsugi Shoko
  • photo by Getty Images

 囲みの取材が終わり、彼に話を聞いてもいいかと尋ねると、個別の取材をほとんど受けていないストラスバーグは、一瞬困った顔をして見せた。結局、広報担当がその場に立ち会い、質問も制限されるということで了承してもらったが、それだけ球団に守られている選手というのも珍しい。

「4月はすごくよかったけど、別に重圧がかかるということはないし、僕はただ質の高い投球をすることだけを考えて投げている。周囲の期待が大きいことは感じているけれど、常にその期待に応える投球をしたいと思っているよ。でも試合になると調子の悪いときもあるし、それがベースボールだと思う。調子が悪かろうと、どんなときでもゲームを作ることが僕の仕事だし、一番大事なのはチームが勝つことだ」

 スター選手らしく、淡々とした表情で隙のない言葉が流暢に出てくる。聞きたいことはたくさんあったが、インタビューが始まったばかりでもう広報担当から、「あと一問だ」と釘を刺され、最後に一番聞きたかったことを尋ねた。同じく注目を浴びる若手トップ投手のひとりとして、「ダルビッシュのことをどう思うか?」とストレートに聞いた。

 するとストラスバーグはたちまち表情を崩し、ニヤリと笑みを浮かべた。

「僕は他のピッチャーがどうしているとか、そんなことは気にしていないよ。他人がどうだろうと関係ない。僕が気にするのは、チームの勝利のため自分は何ができるかということだけ。自分がベストでいられるように、最大限の努力をするだけだ」

 表情とは裏腹に、クールな言葉が返ってきた。そして最後に「あっち(ダルビッシュ)に同じことを聞いても、きっと同じように答えると思う」と言ってまた笑みを浮かべた。

 リーグが違うふたりは、直接投げ合うことはまずない。交流戦で対戦することが今後あるだろうが、少なくとも今季はレンジャーズとナショナルズの対戦はなく、顔を合わせるとすればオールスター戦かワールドシリーズの舞台だけだ。そのときふたりが投げ合うとしたら、メジャーでも大きな話題となるだろう。ストラスバーグはその日を楽しみにしている。そういう顔をしていた。

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