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【夏の甲子園2026】「あの言葉で報われた」松商学園・ベンチ外3年生は松宗監督の思いをどう受け止めたのか (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 白川は応援に専念するなかで、今まで見えていなかったことに気づかされたという。

「スタンドで保護者やOB、地域の方々の声を聞く機会が増えて、『応援される』ってすごいことなんだなと実感しました。普段からおかしな行動を取っていたら、応援されるチームにはなりません。ベンチに入れなくて悔しくて、報われない思いもしましたけど、応援されることのすばらしさは忘れないようにしたいです」

 白川は大学でも野球を継続する予定だという。将来の夢を聞くと、「悩んでるんですけど」と前置きをしつつ、こう続けた。

「誰かのために、やれる仕事をやりたいです」

 アルプススタンドの「チャンステーマ」が選手たちの背中を押したのか、松商学園は試合終盤にじわじわと点差を詰めていった。

「応援に回ったからには、チーム全員で勝つことが大事なので。少しでも後押しできるような応援を心がけています」

 あどけない表情でそう語ったのは、毛利浩也(ひろや)。松宗監督の優勝監督インタビューで涙を流す3年生部員の姿がテレビカメラで映し出されたが、毛利はそのひとりである。

「松宗さんは日頃からそういうことを言ってくれる監督ではあるんですけど、まさか決勝の舞台で言ってくれるとは思わなくて。感極まってしまいました」

 毛利は遊撃手としてベンチ入りメンバーを争い、今大会は練習補助員として甲子園の土を踏んでいる。身長160センチの小兵で、「もう少し身長がほしいと思ったことは?」と質問すると、「本当にそれなんですよ」とおどけた。

 大阪堺美原ボーイズの出身。背番号11でベンチ入りした松浪京吾とともに、大阪から長野へとやってきた。

 メンバーから外れて一番つらかったのは、母親に報告する時だったと毛利は明かす。

「今まで野球をやらせてもらって、寮まで入れてもらったのに、ベンチに入れなくて。自分はやりきったので、悔いはないんです。覚悟はできていましたし、気持ちを切り替えました。でも、親に電話するのはつらかったですね」

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