【夏の甲子園2026】「あの言葉で報われた」松商学園・ベンチ外3年生は松宗監督の思いをどう受け止めたのか (3ページ目)
松商学園のアルプススタンド。前列右が応援リーダーの白川舜大 photo by Takahiro Kikuchiこの記事に関連する写真を見る 松商学園は5回を終えて0対5と劣勢だった。応援リーダーの白川舜大(としひろ)は、意を決したように語った。
「6回表の攻撃は、最初からチャンステーマを流して『チャンスになってほしい』という思いをグラウンドに届けたいと思います」
白川は長野県伊那市出身の外野手。小学生の頃から松商学園の野球部に憧れ、「ここでやりたい」と強い決意を持って入学している。
1年時からベンチ入りメンバーを争う立場にいながら、一度もベンチに入ることはできなかった。大会直前になると、いつも調子を落として競争に敗れていたのだ。
6月30日、夏の長野大会のメンバーが発表されたあと、3年生は全員が集まってミーティングを開いた。
最初は沈黙が続いた。メンバーに入った者も、外れた者も、気持ちを整理できなかった。少し時間が経つと、選手たちはぽつり、ぽつりと胸の内を吐露し始めた。
白川もまた、口を開いた。悔しい思いを率直に打ち明けた。そして、ベンチ入りメンバーに対して、こんな思いをぶつけた。
「松商学園として、チームとして、決めたことはやろう。何事も全力で、弱気にならないでほしい。俺たちは全力で応援するから」
やがて、ベンチ入りメンバーは練習のためグラウンドへと向かった。ベンチ外の3年生は、気持ちの整理がついた者からグラウンドへ向かうことになった。
白川は、松宗監督ら指導者からかけられた言葉を反芻していた。
「3年生の姿で、夏の大会が決まる」
白川は「メンバーと同じ動きをしよう」とグラウンドへ駆け出した。気持ちが晴れたわけではない。それでも、日本一を目指すチームの一員として、戦わないわけにはいかなかった。
「自分が選ばれなかった悔しさはあります。でも、選ばれた20人は自分から見ても『大丈夫』とまかせられる選手たちです。自分は応援という立場ですけど、全員で戦うつもりです」
【母への電話が一番つらかった】
6月30日のミーティングは、グラウンドで戦うメンバーにとっても身の引き締まる出来事だった。主将の久保田悟は言う。
「悔しくて涙ぐむ選手もいたんですけど、『チームのために何でもする』『全員でやっていこう』という言葉をバックアップメンバーからもらって。メンバーにとって大きな原動力になりましたし、『必ず日本一になる』という強い気持ちになりました」
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