【夏の甲子園2026】「あの言葉で報われた」松商学園・ベンチ外3年生は松宗監督の思いをどう受け止めたのか (2ページ目)
埼玉県出身の新井は、中学時代に大宮シニアでプレーした外野手だ。もともと松商学園にはさほど興味がなかったが、母が同校OGだった縁から練習見学に訪れた。
「松宗さんの人柄や、まとまりのあるチームを見て、『ここで野球がしたい』と思いました」
選手たちは松宗監督のことを、親しみをこめて「松宗さん」と呼ぶ。新井は「普通の監督じゃないです」と誇らしげに言った。
「松宗さんが野球部で一番のお手本になっています。環境整備やごみ拾いは誰より積極的にやるし、グラウンド整備はダッシュで行きますから」
そんな監督だからこそ、優勝監督インタビューでの言葉は沁みた。新井は噛み締めるように言った。
「メンバーから外れて本当に悔しくて、メンタル的にきついところもありました。でも、松宗さんのあの言葉で報われたような気がしました」
今も悔しさは残っている。それでも、新井は一心不乱にバチを叩く。日本一を目指すチームの一員という誇りがある。
「メンバーを外れたのは悔しいですけど、それ以上に松宗さんやこの選手たちと伝統ある高校で3年間を送れたことが幸せでした」
希望する進路を聞くと、新井は「全然決まってません」と笑いつつ、こんな夢を語った。
「将来は体育教師を目指しています。松宗さんのように、生徒に愛情を注げる先生になりたいです」
【ベンチ外の3年生が口にした覚悟】
実際にアルプススタンドに来てみてわかったことだが、応援団の中心となる一角は試合の様子が見えにくい。アルプススタンドと隣接する内野スタンドとの境目に通路があるため、ホームベース方向を見ようとすると二重のフェンスが視界を遮る。テレビカメラマンは絶えず目の前でレンズを向け、筆者のような記者たちも頻繁に出入りを繰り返す。
とても落ち着いて野球が見られる環境とは言えない。高校野球では、アルプススタンドは応援することに特化した空間なのだ。
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