ノムさんの教えを胸に福井工業大を指揮 黒坂洋介監督が着手したチーム改革と、全国制覇のために「足りないもの」 (3ページ目)
【監督就任後のチーム改革】
2024年の全日本大学野球選手権は、中西聖輝(中日)、西川史礁(ロッテ)らを擁する青山学院大に力の差を見せつけられて2回戦敗退に終わった。しかし翌年は、3年生を主体とするチームだったものの、ノーシードからトーナメントを勝ち上がり、大学としては4年ぶりの決勝進出。7年ぶりに王座奪還を目指す東北福祉大と対戦した。
その決勝では、東北福祉大の先発・櫻井頼之介(中日)の前に打線が沈黙。投手陣も序盤から失点を重ね、1-8で敗れた。
「昨季、全国制覇に届かなかったのは、 『"心の体力"が足りなかったからではないか』と思っていて。不慣れな環境で5試合を戦うのは、想像以上にしんどかったですし、僅差の試合が続いた反動が出てしまったのかなと感じます」
そして今年2月には、広島、阪神で活躍した町田公二郎監督(現・専修大監督)に代わり、黒坂氏がヘッドコーチから監督に就任した。
「機動力を生かして果敢に先の塁を狙ったり、サインプレーを取り入れた攻めの姿勢を見せられるような守備を取り入れたりして、動きのある野球を目指していきたい」
悲願の全国制覇に向けてそう意欲を見せた新指揮官は、前年の躍進を支えた3年生が最高学年となり、成熟期を迎えたチームのさらなる改革に着手した。
「どうしても立地面でのハンデはあるので、関東の強豪大学に入るような選手の獲得はなかなか難しいのが実情」としつつも、高校野球で培った人脈を生かしつつ、各地をくまなく回る地道なスカウティングで有望選手の獲得に奔走。専大松戸で主軸を担った土田悠翔や、地元の敦賀気比高校で春夏連続甲子園に出場した小林拓斗らをチームに招き入れた。
「実質2年半で選手を育てないといけない高校野球よりも時間的な余裕がありますし、選手の大半は成人していて生活について細かく指摘するような場面もそんなに多くない。じっくりチーム作りに取り組める環境が整っていて、大学野球には高校生の指導とは異なる魅力があると感じています」
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