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【大学野球】メジャースカウトも熱視線の最速156キロ右腕 「おまえがプロは無理」と言われても吉川凌平が貫いた信念 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

大学進学後に急成長した吉川凌平 photo by Takahiro Kikuchi大学進学後に急成長した吉川凌平 photo by Takahiro Kikuchiこの記事に関連する写真を見る

【昨年秋に最速156キロをマーク】

 大学進学後は学業とアルバイトと並行して、トレーニングに努めた。野球部の全体練習は短く、スキルアップするには自主練習に励むしかない。吉川は「和田さんみたいに、スピードガンの数字が出なくても真っすぐで押せる投手になりたい」という思いで取り組み続けた。高校時代に悩まされた右肩の痛みは消え去り、最速139キロだった球速はどんどん伸びていった。

 昨秋には最速156キロを計測するまでに進化したが、吉川の自己評価は高くない。

「まだまだフォームが悪いので。体幹や下半身の使い方が課題です。なるべく体の力を入れたくないんですけど、体幹以外が力んで体が開いてしまう時があるんです」

 ドラフトイヤーとなる今春は、スタートから出遅れた。リーグ戦開幕前に風邪を引いて調整が遅れ、さらにフォーム修正に時間を要した。球速は150キロに届かず、チームは開幕6連敗を喫するなど、リーグ戦最下位に沈んだ。

 千葉商科大の池田朝美監督は、苦渋の表情でエースをかばった。

「就活中の4年生が試合に来られなくて、慣れていない下級生がエラーをしてしまう試合も多かったんです」

 しかし、5月2日にナスパ・スタジアムで開催された国際武道大との一戦は、吉川の復調を思わせる投球内容だった。球速こそ最速146キロにとどまったものの、指にかかったストレートで国際武道大の強打者を次々に詰まらせた。

 カットボール、スライダー、フォークなどの変化球も冴え、5安打1失点で完投。バックネット裏にはMLBスカウトも視察に訪れるなか、リーグ屈指の強豪相手に今季初勝利を挙げた。吉川は「先週くらいから感覚がよくなってきました」と明かした。

「質のいい真っすぐで押して、カウントが取れるのは自分の長所です。まだまだ出力は上がっていないですけど、地道にやっていけば上がっていくと思います」

 大学生とはいえ、まだまだ素材型の投手だ。これから野球に専念できる環境に身を投じた時、信じられないような化け方をしても不思議ではない。

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