【高校野球】「今のうちに勝っとけ」智辯学園のエースに宣戦布告! 奈良大附の190センチ右腕が秘める"逆襲の夏" (2ページ目)
【これ以上身長は伸びてほしくない】
とはいえ、深刻に悩んでいる様子ではなかった。口数こそ多くないものの、自身の技術を自分の言葉で説明できる思考力もある。そして何より、深掘りすればするほど、新城の内面には強烈な自我が潜んでいることがわかった。
この日の新城は頻度こそ多くなかったものの、指にかかった強烈な球威のストレートを投げていた。その点について聞くと、新城は事もなげにこう答えたのだ。
「ハマった時のボールは、前に飛ばないです。しっかりと上から叩けた時は、キャッチャーミットに入ると『バチッ!』と強い音が鳴ります。リリースのタイミングが合えば、どんなバッターでも前に飛ばされる気がしないんで」
全身の力を指先の一点に集約できた時のボールには、絶対の自信がある。それではなぜ、この球を繰り返し投げられないのか。その原因は、新城の身体的特性にあった。
「人よりも手足が長いので、ちょっとでもズレるとリリースのタイミングが合わなくなってしまって。いいボールを続けて投げるのが難しいんです」
肩甲骨周りも柔らかく、自分の体とはいえ制御するのは極めて難しい。新城は苦笑交じりにこんな本音を明かした。
「もうこれ以上、身長が伸びてほしくないです」
しかし、裏を返せば、この点が新城の大きな伸びしろとも言える。将来的に自身の大きな肉体を操れるようになれば、爆発的に進化する可能性を秘めているからだ。
【中学3年で身長が20センチアップ】
近年、有望な高校生がプロ志望届提出を見送り、大学・社会人でワンクッションを挟むケースが相次いでいる。しかし、新城は前述のとおり高卒プロ志望である。
なぜ、新城はプロにこだわるのか。その実情に迫るため、生い立ちを聞くことにした。
「もともと野球をやる気はなかったんです」
父は阪南大まで野球経験があったが、長男の新城は野球チームに入っていなかった。3歳下の弟・大雅が小学1年になって学童野球チームに入団する際、ようやく「僕もやろうかな」と一緒に入団する。野球を始めたきっかけが「弟が始めたから」という例は、かなり特殊だろう。
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