【高校野球】右でも左でも投げる九州国際大付・岡松里樹の異能 イチローの教えで覚醒し、甲子園で初スタメン (3ページ目)
2年生に進級すると、同じ遊撃のポジションに有望選手の吉田が入ってきた。圧倒的な吉田の実力と過酷な現実に打ちのめされながらも、岡松は「甲子園に行くチームなら、こういうことは絶対にある」と気持ちを切り替えた。2年秋には背番号16をつかみ、ベンチ入りを果たしている。
【イチローの教えで打撃開眼】
昨年11月には、岡松にとって大きな転機があった。イチロー(元マリナーズほか)が九州国際大付の指導に訪れ、ティーバッティングの方法をレクチャーしてくれたのだ。
「イチローさんは左足の前にティースタンドを置いて、アウトコース低めの球をレフト方向に打つイメージで振っていました。バットを内から外に向かって出す形です。自分もイチローさんのようなバッティングスタイルに憧れているので、それからずっと練習しました」
イチロー式ティーバッティングの成果は、徐々に表われるようになった。岡松が苦手にしていた外角球を強く打ち返せるようになったのだ。
「ボールを長く見られるようになって、選球眼がよくなり、打率が上がりました」
岡松が甲子園で先発出場を勝ち取った背景には、「イチローの教え」もあったのだ。
1回戦を突破した九州国際大付は、2回戦で専大松戸(千葉)と対戦する。専大松戸は今春に大化けしたエース右腕・門倉昂大を擁する。しかし、岡松は「右ピッチャーは得意なので、今度こそしっかり結果を残したいです」と意気込む。
そして、岡松にはさらなる野望がある。今春は野手に専念しているが、夏までに左投げの精度を高めたいと考えているのだ。
「夏も甲子園に出て、バッターでもピッチャーでも活躍するのが目標です。甲子園のマウンドで、少しでも左で投げられるようになりたいです」
異色の両投げ選手・岡松里樹。この個性は全国屈指のタレント軍団にあっても埋もれることなく、独特の輝きを放っている。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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