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夏の甲子園優勝エースはなぜ大学へ進んだのか 青学大・中西聖輝が「正解にした」4年間と智辯和歌山・中谷仁監督の進路観 (3ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi

「練習をきちんとやる選手はやりますが、遊びたい選手は遊んでしまう。チームメイトが遊んでいるのを横目に、自分はトレーニングを続ける。その時間を4年間しっかり保てた選手は、プロでも成功しやすいと思います。

 どれだけドラフト1位で騒がれてプロに入っても、そうした思考が身についていなければ、プレッシャーだけがのしかかってくる。ドラフト上位であればあるほど、その重圧は大きくなりますし、高卒となれば、なおさら跳ね返すのは難しいんですよね」

 高校時代から注目を集め、ドラフト1位で入団した選手となれば、なおさらだ。高卒ながら即戦力として期待される一方で、現実には早々に壁にぶつかるケースも少なくない。いわば、出口の見えないトンネルに迷い込んでしまった時、どうすれば活躍への道を切り開けるのか。

 ファームで結果を残し、ようやく光が見え始めた──そう思った矢先に故障に見舞われ、シーズンを棒に振ってしまう。そんな若い選手の姿を、これまで何度も目にしてきた。

 そうこうしているうちに、大卒で自分と同い年の選手が入団してくるという状況にもなる。近年は球団側の見極めも厳しくなり、高卒4年目で戦力外通告を受けるケースも少なくない。だからこそ、高校卒業後の進路選択は以前よりもシビアなものになっている。

「野球の基本や技術だけでなく、自分がどう取り組むのか、どう学ぶのかという姿勢は、中学や高校の部活動よりも、大学で身につく部分が多いと思います。自分の時間を自由に使える環境のなかで、自ら何かをつかみにいくくらいの気持ちをどれだけ持てるか。そこからプロへの道が続くと思っています」

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著者プロフィール

  • 沢井 史

    沢井 史 (さわい・ふみ)

    大阪市出身。関西のアマチュア野球を中心に取材活動を続けるスポーツライター。『ベースボールマガジン』『報知高校野球』などの雑誌や、『スポーツナビ』などのweb媒体にも寄稿。2022年7月には初の単著『絶対王者に挑む大阪の監督たち』(竹書房)を出版。共著としても8冊の書籍に寄稿している。

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