【ドラフト】仲間はすでにNPBへ 残された男たちのラストチャンス、独立リーグの3人の物語 (2ページ目)
今季は九州アジアリーグで58試合に出場し、打率.360、38打点、19盗塁の成績を残した。リーグ戦では0本塁打だったにもかかわらず、グランドチャンピオンシップ初戦・石狩レッドフェニックス(北海道フロンティアリーグ)戦では、左打者ながら左翼席に放り込んでみせた。高校では通算18本塁打を放っている。
池内には「早く一緒の舞台で戦いたい」と意識する存在がいる。内藤鵬(オリックス)とイヒネ・イツア(ソフトバンク)。ともに中学時代に所属した東山クラブ(愛知)のチームメイトであり、内藤に関しては高校でも同僚だった。
「内藤は中学の頃からケタが違っていて、参考にしようがないレベルでした。でも、イヒネは同じ外野手で、僕の控えでした。高校で一気に抜かされて、ドラフト1位でプロに行った時には驚きました」
今季にドラフト指名がなかった場合も、プレーを継続予定だという。この好素材を青田買いする球団は現れるだろうか。
NPB挑戦は年齢的にも今年が最後と語る愛媛マンダリンパイレーツの上野雄大 photo by Kikuchi Takahiro
【盗塁数は10からリーグ新記録の54に激増】
一方、年齢的にラストチャンスに賭け、死に物狂いでアピールする選手もいる。愛媛マンダリンパイレーツ(四国アイランドリーグplus)の3番・中堅手を務める上野雄大(24歳)もそのひとりだ。
「今はNPBに行くことしか考えていませんが、年齢的にNPBを目指せるのは今年までかなとは思っています」
岡山県出身で、立正大淞南(島根)、中京学院大(岐阜)を経て、関西独立リーグの堺シュライクスで1年間プレー。昨季から愛媛に入団し、今季は大卒3年目になる。
じつは大学卒業時に四国アイランドリーグplusのトライアウトを受験したものの、あえなく不合格となった過去がある。上野は「1年1年、ちょっとずつうまくなっている実感があります」と語る。
上野の武器はハイアベレージを期待できる打撃と、今季に急成長した走塁である。とくに打撃面は独特の感性が光る。
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