【ドラフト】「投げられるならどこの国でも」から「やっぱりNPBへ」 シャピロ・マシュー一郎が急成長 (2ページ目)
「試合を見ていただいてご存知とは思うんですけど、國學院大にはすごい選手がたくさんいるんです。ライターさんも、プロのスカウトや社会人の方も、國學院の練習を見ていただきたいんですよね。1週間も見ていただけたら、國學院のよさが伝わると思うんです。自分は恵まれた環境でプレーさせてもらっているなと実感しますね」
大学4年時にはプロ志望届を提出。2球団から調査書が届いたものの、指名漏れに終わっている。マシューが進路先に選んだのは国内独立リーグ・日本海リーグの富山GRNサンダーバーズだった。
「去年までロッテのスカウトだった永森(大士)コーチがドラフト会議の帰りに國學院のグラウンドまで来てくれて、『一緒に行きませんか?』と言ってくれて。富山にも行かせてもらったうえで、お世話になろうと決めました」
【日本ハム打線を手こずらせた動くストレート】
8月19日、日本海リーグ選抜と日本ハムファームの交流試合(鎌ヶ谷スタジアム)に、マシューは参戦している。2回裏からの2イニングを投げ、被安打1、奪三振2、与四球1、失点0。この日の最速は150キロだった。
登板後、マシューは「チャンスをいただいたことに感謝して、全力で楽しもうと思って投げました」と語っている。
この日、日本ハム打線を手こずらせたのは、マシューの「動くストレート」だった。マシューは「自分ではわからないんですけど」と苦笑しながら打ち明ける。
「自分のストレートは『真っスラ』ぎみに動くみたいなんです。真っすぐがホップしつつ、スライドするらしくて。今日はキャッチボールの段階で『しっくりこないな』と感じていたんですけど、なんとか丁寧に投げることで対処しました」
久しぶりにマシューの投球フォームを見て、ある変化に気づいた。大学時代のマシューはクイックモーションで投げていた。マシューの巨体も相まって、学生野球にひとりだけマイナーリーガーが紛れ込んだようなミスマッチ感があった。ところが、今のマシューは左足をしっかりと上げ、タメをつくってから体重移動している。いかにも「和風」な投球動作である。
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