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【夏の甲子園2025】山梨学院は2年生の「二枚看板」で苦手な夏も勝つ 先輩キャッチャーは「調子のいいボールを引き出してリードしたい」 (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Motonaga Tomohiro

【3年生キャッチャーから見たふたりの2年生ピッチャーの印象】

 2年生の菰田、檜垣のふたりをリードするのが、キャッチャーで四番を務める3年生の横山悠だ。U-18日本代表候補でもある。

 菰田の先発を聞かされたのは試合前日の夜だった、と横山は言う

「菰田は、はじめ緊張していたんですけど、それをほぐすような声がけをした結果、よく投げてくれました。公式戦になったらやってくれるというタイプなので、心配はありませんでした」

 最速の152キロには及ばなかったが、力強いボールで強打の聖光学院打線を封じ込めた。

「スタミナ面を考えて少し抑え気味に投げていたのかもしれませんが、それでも抑えられたのは体がデカいからだと思います。少し甘いところにボールが来ても、キャッチャーとしては心配ありません。

 菰田の球種はストレートとスライダーで、ストレートが中心です。ボールに角度があるし、質もいい。甘く入ってもファールになることが多く、一発でとらえられた経験はありません。だから、ストライクゾーンで勝負ができる。コースよりもテンポを大事にしています」

 7回途中までに投じた球数はわずか80球。奪三振は1だったが、被安打2、自責点1の見事な投球だった。

 リリーフとして初めて甲子園のマウンドを踏んだ檜垣は2安打を許したものの、自責点0。落ち着いて勝利を手繰り寄せた。「檜垣のよさは変化球の精度、細かいところに投げられて、変化球で三振を取れるところ」と横山は言う。

 9年ぶりに夏の甲子園で勝利をつかんだ山梨学院は、8月16日の3回戦で岡山学芸館(岡山)と対戦する。タイプの違う2年生投手が実力を発揮できるかどうかは、横山のリードにかかっている。

「それぞれのピッチャーに特長があって、調子のいいボールはその日によって違う。調子のいいボールを早く引き出してリードしたい」

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