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【夏の甲子園2025】批判渦中の広陵、エースの度胸で初戦突破 指揮官は涙「選手ありきの高校野球なんで...」 (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Motonaga Tomohiro

 この日、甲子園通算41勝を挙げた中井監督は堀田についてこう語った。

「監督からすると、何を考えているかわからないところがありますね。ちょっとぼんやりしてるけど、すごい信念を持っている子です。先輩の高尾響(現・トヨタ自動車)の姿を見ながら力をつけて、最後の夏の背番号1をつけて甲子園に戻ってきました」

 接戦をモノにして勝ち上がってきたのは、堀田がいたからだ。

「堀田はおおらかだけど、度胸がある。舞台が大きくなればなるほど力を発揮します。広島大会の決勝、9回ツーアウト、0対1で負けている場面で堀田が同点のツーベースヒットを打ったんですけど、あとから映像を見たら打席に入る時にスキップしていましたからね。物おじしない選手で、自分の世界を持っていますね」

 キャッチャーの吉村舜もこう言う。

「僅差で勝ち抜けるのは堀田の気持ちが強いから。長所は相手の懐(インコース)に、思い切って投げられるところです。コントロールがよくて投げミスがないので、配球もしやすい。そこは助かっています。どんなピンチの場面でも、チームのみんなが堀田の力を信じています」

【出た結果はしっかりと受け止める】

 1月の暴力事案への批判は日に日に大きくなっている。今後も選手たちが動揺せずに戦えるどうかはわからない。

 中井監督は言う。

「こうして夢の舞台の甲子園に立てて、選手たちが全力でプレーできたことにも感謝しかありませんし、選手たちはよく頑張ってくれました。今日、監督は何もしていません。広島大会から、接戦を勝ち抜いてきました。今日も先に点を取られたあとにすぐに取り返して、流れを渡しませんでした。エラーもありましたけど、積極的なミスだったので『切り替えていけ』と伝えました。この試合は後半勝負になると思っていましたが、粘り強く戦ってくれました」

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