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【高校野球】偏差値70の進学校に140キロ超えの投手が続々 公立の雄・東筑が第1シードで挑む夏 (4ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

【近年稀に見る充実の戦力】

 今年の戦力はこれまでにない充実ぶりだ。特に2年生投手陣の成長ぶりが著しい。中学時代に横浜(神奈川)の織田翔希(2年)と並ぶ逸材として北九州でしのぎを削った最速145キロ右腕の深町光生のほか、190センチを超える長身の佐藤主税(ちから)、梶原大和の両左腕はともに140キロ近い角度のある直球を投げ込む。

 そして4番も任されるなど、二刀流の活躍が期待される146キロ右腕の池口貴綱(3年)が守護神に控える。青野監督も、誰を先発に指名するか、そして継投はどうするか、用兵に頭を悩ませる日々が続く。

「北部第1シードというプレッシャーを感じながらやっていても勝てません。バットの影響でけっこう接戦が多いので、ミスをしたほうが負ける。そういうことがないよう、できるだけ緻密なことをやっていかないと勝てないと思っています。先を見据えず、一戦一戦、安定して上に行けるようなチームをつくっていきたいです」

 福岡県は今夏からシード校は3回戦からの登場となり、優勝までに必要な試合数も昨年までの7試合から6試合となる。ここ10年で優勝1回、準優勝1回、4強1回、8強1回と、夏に強さを発揮するのが東筑の特徴。今年も私学の分厚い壁に風穴を開け、公立の雄としての矜恃を見せつける。

つづく

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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