【高校野球】偏差値70の進学校に140キロ超えの投手が続々 公立の雄・東筑が第1シードで挑む夏 (3ページ目)
短い時間で効率よく練習をこなす東筑の選手たち photo by Uchida Katsuharuこの記事に関連する写真を見る
【毎年200名近くの国公立大学合格者を輩出】
東筑の校是は「文武両道」「質実剛健」。東大や京大、九大など毎年200名近い国公立大学合格者を輩出している県内屈指の進学校だ。仰木彬さん(元近鉄、オリックス監督)をOBに持つ野球部も、練習後には塾へ通い、学業と部活を両立して指定校推薦や一般受験などで名門大へ進学する。上のステージで競技を続ける部員も多い。
夏春と2季連続で甲子園に出場した2018(平成30)年度の卒業生は、エース石田旭昇(現・FBS福岡放送アナウンサー)の法政大をはじめ、東京六大学に5人(菊池聡太=早稲田大、北村謙介=慶應義塾大、林大毅=立教大、秀島龍治=1浪後に東京大)が進学した。
一学年上の別府洸太朗は2浪の末、東京大に合格して秀島と同期に。京都大の平山統(現・京大コーチ)とともに、東西で人気を二分する最難関国立大で東筑OBが4番を張ったこともある。今春は九州大の堺和也(2年)が九州六大学で3発を放ち、本塁打王に輝いた。
「勉強だけではなく、野球でもチャンスがあるのが東筑の特徴。監督をやっていたら物足りなく思うけれど、ほかの学校から見たらいい選手は集まってきているんでしょうね」
内野手の樋口朔也主将(3年)も、この環境を望んで試験を突破し、入学を勝ち取ったひとりだ。当初は短時間で終わる練習に、「強豪校がどれだけやっているのか不安もありました」と言うが、歴代の先輩たちが「考える野球」で結果を残してきたことが自信となり、方向性を再確認することができた。国立大進学を目指し、自習室で毎日欠かさず勉強するなど、文武両道を体現している。
「自分たちはミーティングを大事にしています。野球は感覚ではあるんですけど、それをどれだけ言語化して、みんなで意識を共有できるか、そこが考える野球ではあると思います。夏は先を見ず、1試合1試合勝っていき、最終的には甲子園に行けるように頑張りたいです」
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