ドラフト戦線を駆けるふたりのスピードスターは幼馴染 城西大・松川玲央と筑波大・岡城快生、それぞれの軌跡 (4ページ目)
3年秋のシーズン後、ともに大学日本代表候補に選ばれた松川と岡城は、松山市で再会する。松川は「特別に驚くこともないし、『おう』という感じでした」とドライに振り返るが、岡城は違う感慨を抱いていた。
「松川は2年生の頃から日本代表候補合宿に呼ばれていましたからね。自分は大学でこんなことになるなんて想像できませんでしたし、筑波のような強い大学で野球ができるとすら思っていませんでしたから。まったくの想定外でしたし、なんだか面白いですね」
【切磋琢磨のラストイヤー】
大学最終学年を迎え、松川も岡城も今秋ドラフト会議での指名を目指している。
4月19日、越谷市民球場での東海大2回戦に出場した松川は、出塁するたびに執拗な牽制球を受けた。1回戦ではウエストされ、二盗を阻止されてもいた。
だが、松川がひるむことはなかった。
「気持ちが引いてしまったらダメだと思っていました。厳しくマークされるのはわかっていましたし、そのなかで盗塁を決めたら自信になります。チームにも流れを持っていけますから、走れる限りは全部走るつもりです」
この試合、松川は東海大バッテリーのマークをかいくぐり、2盗塁を決めている。打撃面も「手首を使って、ヘッドを利かせる意識」が体に馴染み、飛距離が伸びている。松川には珍しくリーグ戦で低打率が続いているものの、打撃の感触は悪くないという。
松川に岡城に対する思いを聞くと、こんな答えが返ってきた。
「小学生の仲間がこうやって一緒に同じリーグでできているのは、本当に珍しいですよね。ラスト1年、切磋琢磨して、一緒に楽しくやりたいです」
岡城も同日、武蔵大戦でダメ押し2点適時二塁打を放つなど、4打数3安打2打点2盗塁と暴れ回った。この時点で、打率は.533をマーク。チームの開幕4連勝に大きく貢献し、その後も5月4日の帝京大戦で本塁打を放つなど存在感を見せている。
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