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【選抜高校野球】横浜を日本一へと導いた村田監督の「執念の采配」 1球継投、超前進守備、伝令... (4ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

 9回表も山脇が2四球を出すなど乱れたこともあり、優勝まであと1アウトの二死満塁から伝令を出した。

「タイムの使い方は慎重にいきました、今日は」

 そうつぶやいた村田監督。その裏にはこんな思いがある。

「負け続けてきたので......夏は2年連続(神奈川大会決勝の)8回に点を取られて負けて。悔しいというか、立ち直れないぐらいの感情がありました。それでも、選手たちは前を向いていた。僕も勝ちたい、勝ちたいじゃなくて、負けないためにはどうしたらいいかだと気づかされました」

 指揮官として、やるべきこと、できることはすべてやる。それが、継投であり、伝令。そして、自らブルペンへと足を運ぶこと。直接言葉をかけること。とにかく「後悔したくない。すべてやり切るんだ」という気持ちだけだった。

 必死な指揮官の想いに選手が応え、ついてきた結果が公式戦20連勝。21点を取って清峰(長崎)を下した2006年以来、19年ぶりの日本一だった。

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