【選抜高校野球】離島旋風再び! 壱岐高校が受け継いだ大島高校からのバトン (3ページ目)
安原自身はもともと島に残る予定にしていたが、野球を続けるつもりはなく、「サッカー部かテニス部に入ろうと思っていた」という。だが、山口らが島に残ると聞いて「甲子園に行けるかもしれない」と野球部に入ることを決めている。
安原はチームメイトについて、こう語っている。
「やっぱりみんなと野球をするのは楽しいですし、絆を感じます。このメンバーなら、何かを起こせそうと思わせるものがあるんですよね」
もちろん、彼らにとってこれで高校野球が終わるわけではない。安原は「『壱岐から甲子園』の夢はかなえられたけど、夏は甲子園優勝する勢いで頑張ります」と宣言した。
たかが高校生の部活動と言えば、それまでだ。だが、高校野球が島の結束を生み、誇りになり、パワーを生み出す。壱岐の応援に集まった一塁側アルプススタンドの熱気が、それを証明していた。
「次なる世代」はどこか。甲子園には夢が詰まっている。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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