【選抜高校野球】時代に適応し続ける公立伝統校の矜持 「広商の野球」は変わらない (3ページ目)
2回戦の相手は優勝候補の東洋大姫路だ。
「(1回戦で11安打を放ったが)まだまだ広商の野球ができていないので、しっかりと準備して次の試合に臨みたい。東洋大姫路には迫力のある選手が揃っていますし、監督が(全国優勝経験のある)岡田龍生さんなので、全力でチャレンジしていきたい。今の選手たちの力をどれだけ発揮できるかを考えています。ウチのチームのベストを出して、僅差の試合展開に持ち込みたい」
優勝候補に挙げられる強豪は、ずば抜けたフィジカルの強さを誇る。しかし、そういう相手との対戦でも互角に戦う方法があると荒谷監督は考える。
「フィジカルの強化については、何年もかけて取り組まないといけないことだと思います。ウチはウチなりに鍛えてはいますけどね。東洋大姫路や横浜の選手たちの体つきを見ると、うらやましいくらいです。でも、ウチは知恵を絞って戦っていきます」
この大会で「広商の野球」が再評価されることになるかもしれない。
著者プロフィール
元永知宏 (もとなが・ともひろ)
1968年、愛媛県生まれ。 立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。 大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。著書に『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)、『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』(ぴあ)、『近鉄魂とはなんだったのか? 最後の選手会長・礒部公一と探る』(集英社)など多数。2018年から愛媛新聞社が発行する愛媛のスポーツマガジン『E-dge』(エッジ)の創刊編集長
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